キングレコードが声明。AKBの握手会、ハイタッチも当面中止。劇場も一時閉館
北九州でも刃物で刺される事件が起こった。歯科医師が車から降りたところ、不審な二人組の男に太ももをはじめ数カ所刺されたという(5月26日午後15時の速報)。
模倣犯とは言えないまでも、AKB事件の翌日である。
こういう事件が一旦起きると、次々と似たような事件が連鎖的に起きることがある。
岩手の事件の犯人も、刺すのは「誰でもよかった」と供述。
誰もが、いつ、どこで同じような事件に巻き込まれないとも限らない。
アメリカでは、22歳まで恋人ができないのは不公平だとして銃を乱射する事件が起き、死者もでている。犯人は自殺(25日)。
銃が通常では手に入らない国だからまだいいものの、日本ではその代わりに使われているのが刃物や、車だ。
ASKAの事件もそうだけれど、妙な空気感が国全体で醸成されている気がしてならない。
キングレコードとAKB総支配人が声明
キングレコードは公式ホームページで声明を発表。
「皆様へ
本日5月25日午後5時ごろ、岩手県滝沢市:岩手産業文化センターアピオで開催いたしました、AKB48 33rdシングル「ハート・エレキ」、35thシングル「前しか向かねえ」の握手会において、AKB48メンバー入山杏奈、川栄李奈、及び会場整理スタッフ1名が刃物を持った男に襲われ、手を負傷しました。
入山杏奈、川栄李奈、会場整理スタッフは、現在病院で手当てを受けております。
幸い3人ともに命に別状はないと聞いておりますが、一日も早い回復を心よりお祈りしております。
なお当日の警備体制については、制服警備員、会場整理スタッフ約100名が警備にあたっており、握手前には両手を広げていただくチェック体制をとっておりました。
この度の卑劣な犯人の行為に怒りを覚えるとともに、全国のAKB48ファンの方々にご心配、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」
当日の警備に力を入れていたことを訴えているけれど、油断があったとしか思えない。
いままで小さなトラブルはあったと聞くが、大事が起こらなかったから今後も起こらない、と人はいつの間にか思い込んでしまう。
逆に言えば、いままで大事が何も起こらなかったことが奇跡とも言える。
アメリカでは、セキュリティ上、200%ありえないようなやり方で、アイドルが直接的なファンとの交流をはかり、距離感を縮め、親近感を高める戦略で「AKBプロジェクト」は巨大なエンタメビジネスに育ったわけだけれど、根本的なビジネスとしてのありようを考えなおさなければならない。
どこまでも、中心にいるのは心も感情もある、生身の人間なのだ。
いつ、どんな大事件が起こっても不思議ない、ということをファンも、主催者も、考える時期だ。
一方、AKB総支配人茅野しのぶ氏が26日朝、自身の公式ブログを通じてコメントを発表。こちらも同様、事件の概要を説明した上で、
「今後、怪我を負った入山、川栄は勿論、現場にいたメンバーも含め、全てのメンバーのケアをスタッフみんなでしていきたいと思います。
今後の事も心配されてるファンの方々もいらっしゃるかと思いますが、まずはメンバーの心のケアを最優先にしていきたいと思います。
ファンの皆様にご心配おかけしましたことを深くお詫び申し上げます」(原文ママ)
「ワンダ」の新CM自粛も発表され、総選挙前にして、重大な岐路に立たされたAKBビジネス。
いままでと同じではいることは、もはやできない。いや同じであってはならないと考える。
入山、川栄さんもひとまず退院の報。
大きなマスクは痛々しいかったけれど……。
セキュリティは、性善説に立つ限り失敗する。
事の重大性を認識し、セキュリティ不備が明らかになった今、関係者の対応が注目される。
総支配人のコメント通り、AKBや関連グループメンバーの心のケアに万全の力を注いでもらいたい。
最後になるけれど、本当にいまの日本はふわふわしている。僕にはそんなふうに感じられて仕方がない。
いずれ考えを整理して、明らかにしてみたいと思う。